遺言 相続 福岡 筑豊 田川 篠田法務事務所 完成までの流れ
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<strong>遺言</strong>証書作成までの大まかな流れ
以下の手順で考えてみましょう。
手順1〜8
1〜8までの項目に分けて考えてみます。
手順1、自分の財産の把握
自分の財産を把握する。
自分の残す財産,何がどのくらいあるのかをまずは把握しましょう。自分の死亡時に所有していた,金銭で換算できるすべてのものが相続財産です。借金などの負の財産も忘れないようにしましょう。
自分の持っている財産をすべて書き出す。
具体的に箇条書きにすると漏れや落としがありません。以下に主な財産の例を挙げます。
プラスの財産とマイナスの財産。
■プラスの財産
不動産:土地・家屋
金銭:現金・預貯金
保険:自分が受取人になっている生命保険
有価証券:株券,債権・手形・小切手・商品券
権利:借地権・借家権・営業権・ゴルフ場などの各種会員権・特許権・著作権
物品:自動車・美術品・骨董品・家具・衣類・宝石・貴金属・金銭価値のある動植物など

■マイナスの財産
住宅ローンなど各種ローン・借金・クレジットカードの未払い分など

手順2、財産をどうしたかを決定する
はじめに。
自分の財産をどのように処分するかを考えるに際し,自分の法定相続人が誰であるかを知っておきましょう。さらには自分が遺言を残さなかった場合どのように財産が分けられるのか,法定相続分についても確認してください。納得のできる残し方になっているでしょうか?
法定相続に納得いかないなら。
法定相続では割り切れない財産の分割に関する自分の思いを遺言に意思表示します。慈善団体に寄付したい,配偶者に多く残したいなど,さまざまな思いを遺言にしましょう。オリジナルの遺言を作りましょう。
「思いどおりの分割」……自分の心情や感情を反映した分割
「トラブルを防止する分割」……遺す人たちの生活の状況や性格と,財産の内容を考慮した具体的な分配でトラブルを未然に防止する分割
財産の配分について考慮する。
遺すものの権利また務めとして,誰に,何を,どれくらいのこすのか,細かく具体的に決めましょう。
遺言は法定相続に優先します。
※注 遺留分に注意する。
遺留分について。
遺言で自分の財産の分配を自由に決めることが出来ますが,これにはある一定の限度があります。「遺留分(いりゅうぶん)」といわれるものです。妻子がありながら愛人に全財産をのこす,遺される遺族が経済的に困るのがわかっていながらすべてを他の人に遺贈あるいは寄付するというのには問題があります。そんな不公平をなくすために一定の人に決められた割合の財産を保証するのが「遺留分」です。
■なお,遺留分は主張して初めて取り戻すことが出来るものです。遺留分の請求は「遺留分減殺請求」といわれます。これは相続および減殺すべき贈与・遺贈を知った時から1年以内にしなければなりません。それで,あくまでも思い通りに遺したい場合は「遺留分を放棄してほしい」などの一文をのこすこともできます。しかし,法的拘束力はありませんので聞き届けてもらえるよう文面を工夫しましょう。
■もちろん,遺留分を超えない範囲での遺産の分割をしておけば自分の遺言どおりの分割がなされることになります。
遺留分を受ける権利のある人。
(相続財産のうちの,受け取り権利分の割合)
1.配偶者と子供(ない場合は孫さらになければ曾孫)のとき・・・2分の1
2.配偶者と父母(ない場合は祖父母)のとき・・・配偶者3分の1,祖父母6分の1
3.配偶者または子供のみのとき・・・2分の1
4.父母(ない場合は祖父母)のみのとき・・・3分の1
※兄弟姉妹が相続人の場合,遺留分はありません。
手順3、残したい自分の意思があるかを考える
意思を反映させたい内容を書き出してみる。
遺言が法律上効力を発揮するのは財産の分割や祭祀承継者に関してですが,
葬儀の方法・臓器提供・日記等の処分・自分の死を知人に知らせる…
など法的な効力はないものの自分の意思を遺言に書いておくことによって自分の意思をのこされた人たちに伝えることができます。その際には明確に自分の希望を記して間違いなく意思が伝わるようにします。また,場合によっては実現しやすいように手順などを具体的にしていしたり,理解してもらえるように説明を加えておくことにより自分の意思が果たされるようにすることもできるでしょう。

※注1臓器の提供などは死後緊急に行われる必要があるので,遺言にすると共に別紙にしておくとか,生前から公表しておきましょう。
※注2葬儀のやり方などに関する意思なども実際には家族の判断次第ですから,間違いなくそうしてもらいたいと思うなら生前からその考えを伝え,理解を得ておかねばなりません。
※注3日記等の処分に関する遺言をおこなう場合,処分しやすく整理しておくことが必要でしょう。

法律上、<strong>遺言</strong>でできること。他に書けること。
■相続の法定原則の修正
相続人の廃除(相続させないこと)、廃除の取消、相続分の指定、遺産分割方法の指定、遺産分割の禁止などができます。
■相続以外の財産処分
遺贈(遺産を誰かに贈与する)に関する事柄、信託の設定などです。
■身分関係に関すること
認知、未成年後見人の指定 など遺言の執行に関することや遺言執行者(遺言の内容を実現してくれる人)の指定などです。

■では遺言証書には他に何もかけないのか?
決してそんなことはありません。法的な効力がないだけで、
・家族仲良くしてくれ。
・葬式は質素に明るくしてくれ。
・戒名はとらず,葬ってくれ。
・臓器提供をしたい。
…などなど,家族に自分の思いを伝え,死後に意思を反映してもらうこともできます。
繰り返しになりますが,このような内容に法的拘束力はありません。

手順4、<strong>遺言</strong>の内容を整理する
全体の内容を今一度確認。
ここまでで、今一度内容を振り返ってみられることをおすすめします。
手順5、<strong>遺言</strong>執行者について決定する
<strong>遺言</strong>執行者について決定する。
遺言執行者とは自分の死後,確実に自分の遺言の内容が執行されるよう手続きを行ってくれる人のことです。遺言執行者は遺言で選任するか,相続人などからの請求によって家庭裁判所が選任します。自分で生前に契約するなど,遺言以外で選任することはできません。
遺言執行者は認知・相続人の廃除またはその取り消し・特定遺贈・包括遺贈・寄付行為などの事項が遺言に記載されている時に選任できます。特に認知や相続人の廃除またはその取り消しが遺言に記載されている場合は必ず選任しなければなりません。逆にこれらのいずれも記載がなければ選任の必要はなく,遺言執行者の記載は無効になります。
<strong>遺言</strong>執行者はどなたにしますか?
遺言執行者は信頼のおける第3者を選任します。相続人や受遺者もなれます。破産者や無能力者はなれません。法人がなることも可能です。
<strong>遺言</strong>執行者を指定した場合の利点。
執行者の承諾前であっても相続人は相続財産の処分や遺言執行を妨げる行為を行うことはできません。執行人が選任されているにもかかわらず相続人が行った処分は誰に対しても無効となります。受遺者(遺言で贈与を受けた人)の権利を守る大きな責任と権利が遺言執行者にはあります。
手順6、<strong>遺言</strong>の方式の決定
自筆証書<strong>遺言</strong>とは?
遺言者が自筆する
・メリット
遺言者が一人で遺言状を作成できるため,内容の秘密が守られ費用もかからない。
・デメリット
必ず遺言者本人が遺言状のすべてを手書きしなければならない。手書きのため偽造の恐れがある。さらに紛失・隠匿・破棄の恐れもある。確認する人がいない場合,内容不備のため法的に有効でない場合もある。封印された場合,開封は家庭裁判所でなされ,本人の自筆であるかどうかの検認が必要。
公正証書<strong>遺言</strong>とは?
遺言者が内容を口述し,それを公証人が書面にする
・メリット
遺言書のプロが作るので,内容不備の心配がない。原本の保管・管理は公証役場で行うので紛失等の心配がない。公文書なので検認の必要がない。写しを開封する際家庭裁判所でなくてもよい。
・デメリット
二人以上の証人が必要。遺言内容が他人に知られる。公証役場で手数料が必要。
秘密証書<strong>遺言</strong>とは?
遺言者が内容を作成して,署名・押印の上封印する。それを公証人が確認する。
・メリット
自筆でなくてもよい。遺言を残したことが法的に明らかになる。封印後に公証人の確認を得るので内容の秘密が守れる。
・デメリット
開封時まで内容の法的有効性が明らかでない。二人以上の証人が必要。公証役場で手数料が必要。
特別方式の<strong>遺言</strong>。
遺言危急時遺言(一般危急遺言と難破危急遺言
■隔絶地遺言(一般隔絶地遺言と船舶隔絶地遺言
手順7、<strong>遺言</strong>の作成
自筆証書<strong>遺言</strong>の場合は…。
■名前の通り,日付を含めすべてを自筆で作成します。字の上手下手は関係ありませんので必ず自分ですべて書いてください。他の人が書いたもの,ワープロなどで作成したものは無効です。
■日付(年月日まで),署名,押印(実印が望ましい)は必須条件です。この3つは絶対に忘れないでください。
■丈夫な紙に清書します。保存のきく丈夫な紙に書き換えが容易でない毛筆,万年筆,ボールペンなどの筆記用具で書きます。
■偽造防止のため,間違った部分は訂正せず,新たに書き直すことをお勧めします。もし修正・訂正をする際にはその箇所に二重線を引き押印し,修正・訂正文を入れます。さらに余白部分に「○○行目○○字削除・○○字挿入」と修正・訂正箇所とその文字数を記入し署名してください。遺言が複数枚になる時には割り印を押しておきましょう。
■できあがったら再度読み返し間違いのないように十分に注意します。
■封筒に「遺言証書在中」などと表書きします。さらに「開封することなく家庭裁判所に提出すること」のように書いておけば見つけた人が間違って開封することもないでしょう。裏に遺言証書と同じ日付(年月日まで)を記入し,署名・押印します。偽造・改ざんを防ぐため封印します。
■ふさわしいところへ保管します。
公正証書<strong>遺言</strong>の場合は…。
■証人2人以上と公証役場に出向きます。病気などでいけない場合は出張してもらいます。(要出張費)遺言者は遺言の内容を公証人に口頭で直接伝えます。身元証明のため,住民票,印鑑登録証明,登記簿謄本などが必要です。内容を正確に伝えるための登記簿謄本,預貯金通帳なども持参するとよいでしょう。
■公証人が口頭または通訳を介し,若しくは自書で伝えたことを筆記し,この筆記したものを遺言者と証人に読み聞かせ若しくは閲覧させます。
遺言者と証人が筆記が正確なことを承認した後,それぞれ署名押印します。(それぞれの実印と印鑑証明が必要です。)
■公証人がその証書が以上の手続きに従い作成されたことを記入し,これに署名押印します。
〜完成。
■公正遺言証書は原本が20年間または本人が100歳を超えるまでの長いほうの期間,公証役場に保管されます。遺言者には正本と謄本が渡されます。破棄・隠蔽・偽造・変造の危険性はありませんので家庭裁判所での検認は必要ありません。しかし証人から遺言の内容が漏れる心配はあります。
秘密証書<strong>遺言</strong>の場合は…。
■基本的に自筆証書遺言と同じ流れです。遺言の全文・日付を自著する必要はありません。ワープロ等での作成も可能です。遺言書に日付は入れなくてもかまいません。他の人に頼んで作成してもらうことも可能です。ただし署名は必ず自著し,押印してください。録音テープやビデオテープなどは秘密証書にはなりません。
■作成したら封筒に入れ封をし,中の書面と同じ印鑑で封印します。
■公証人役場に証人2人以上と出向き,公証人1人と証人2人以上の前にその封書を出して自分の遺言書である旨およびその筆者(本人または代筆した人)の氏名及び住所を述べます。公証人がその証書を提出した日付及び遺言者の述べたことを封紙に記載した後,遺言者,証人と共にこれに署名・押印します。(別の紙に必要事項を記載してそれを封筒に貼り,割り印しても構いません。)
遺言したことが公証役場の台帳に記載され,遺言書が遺言者へ返還されます。遺言証書の保管は自筆遺言証書と同様です。
証人について。
公正証書遺言・秘密証書遺言の作成の際に証人2人以上の立会いが必要ですが,手続きの初めから終わりまで立ち会います。
以下の人は証人になることができません。
■以下の人は証人になることができません。
未成年者
成年被後見人
禁治産者・準禁治産者・被補助人・被保佐人
推定相続人・受遺者およびその配偶者ならびに直系血族
遺言者の四親等以内の親族
公証人の配偶者・書記及び雇い人
■これ以外の人は誰でも証人になれますが証人には遺言の内容が知られてしまうため,行政書士等,守秘義務を負う職業の人になってもらうことが望ましいでしょう。
手順8、<strong>遺言</strong>の保管
<strong>遺言</strong>の保管場所について。
遺言が完成したらその保管場所でが問題になります。その内容によりある人にとっては損,別の人にとっては得な内容になっているでしょうから,生前には見つかりにく居場所に保管しておくことになるでしょう。しかし,あまり厳重に隠したたために死後誰にも見つけられないのでは意味がありません。生前には見つかりにくく,死後には見つかりやすい場所が理想でしょう。さらに自筆遺言証書の場合には発見後,隠蔽(いんぺい)や変造がなされないように注意を払う必要もあるでしょう。
■まず,遺言を作成していることを生前に誰かに伝えておくことが必要です。自分の死後探し出してもらう必要があるからです。複数の人に言っておくことも出来ますが,不利な内容の場合隠蔽や変造されることもありえますので,保管の場所を銀行の貸し金庫にするとか行政書士等に保管を依頼するなど相続人の一部では勝手に取り出せないようにすることも必要になります。
また,内容を話さないにしても遺言を作成したことを知らせておくことが相続人との関係で望ましくない場合もあるかもしれません。その場合には生前は遺言証書の存在自体を伏せておくことになるでしょう。その時は,相続と関係のない第3者で信頼のおける人に保管場所を含めて話しておくとよいでしょう。死亡時に相続人や遺贈を受けた人全員に報告してもらうように頼んでおけば安全です。
■自筆遺言証書は家庭裁判所での検認を受けることが必要ですので,遺言証書を自分で保管しないで信頼できる第3者(法律の専門家である行政書士などがいい)に預けておくことはさらに安全を高めることになるでしょう。遺言証書の中で遺言執行までその保管者に指定しておけば執行までより確実に行うことができます。
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